住みたい物件を決めたら入居申込みをしよう

未記入の入居申込書とペンの画像
「ここに住もう!」と借りたい物件が決まったら、早めに不動産会社にその意思を伝えましょう。それが「入居申込み」です。入居申込みは、「契約⇒入居」という流れに向けての最初の手続きです。そのためには、記入に必要な情報を事前にまとめておくといいでしょう。まずは、入居申込みがどんなものなのか事前に知っておくと安心です。

「入居申込み」とは何か

入居申込みは、自分の情報を明示し「この物件に本気で住みたい」という意思表示です。氏名や現住所、電話番号、メールアドレス、勤務先など、借りる人の身分証明が主な内容です。勤続年数や年収など、経済力に関する事項も記載するのが一般的で、それに伴って書類提出を求められることもあるので事前に確認しておくといいでしょう。

 

物件によっては、借主が家賃を滞納したときに代わりに支払う連帯保証人を立てなければならないケースがあります。その場合は、連帯保証人の氏名や連絡先、勤務先などの詳しい情報の記入が必要になります。本契約にも関わる重要な事項なので、本人の承諾を得ないまま勝手に名前を借りて書くことはできません。

 

連帯保証人は、書類上だけのものではなく、実際に未払金の弁済責任を負います。そういった内容を理解した上で、誰に頼むかをしっかり考えておきましょう。連帯保証人をお願いした人にOKをもらったら、「入居申込み時の書類に勤務先情報や年収についての情報が必要」という旨を伝え、教えてもらいましょう。

 

また、入居申込みをして間もなく「やっぱりやめます」と簡単に言うことは、不動産会社や大家さん(貸主)に大きな迷惑がかかります。しっかり考えた上で、入居申込みをすることを心がけましょう。

「申込金」について

間取り図、紙幣、計算機の前で申込金を考える女性のイラスト

すべての物件に当てはまるわけではありませんが、「申込金」が必要なケースがあります。これは、契約が成立するまでの予約のような意味合いを持つ金銭授受で、本契約に至らなかったときには全額返還されます。家賃1カ月以内の額が一般的で、申込金が不要な物件もあります。申込金としてお金を預けたら、預かり証をもらうようにしましょう。

 

また、契約が整ったときには返還されずに、前家賃や礼金などの初期費用の一部として扱われるのが一般的です。

入居申込み時は交渉事のチャンス、でも節度が必要

入居申込み書類の記入については、事前準備で必要情報をメモしたり、不動産会社スタッフの指示に従ったりしていれば、特に困らずにスムーズに進んでくもの。でも、実はこの入居申込みは、正式な契約前にいろいろと交渉できるタイミングでもあるので、次のようなことを頭に入れておくといいでしょう。

 

基本的に家賃が発生するのは「契約日の当日から」です。「引越しはまだ先だけど契約だけ先に済ませたい」という事情がある人もいるでしょう。特に、学生や転勤などで部屋を借りる人は、契約から入居までの時間が空くのは多々あること。月の途中でも契約日から日割りで計算されるため、「住んでいないのに支払うなんてもったいない」と考える人も多いでしょう。例えば月末まで残りわずかという場合には、申込みのときにその分について交渉してみるのもいいかもしれません。大家さんによっては、翌月からの請求にしてくれるなど、事情を酌んでくれるケースもあるようです。

 

また、「立地がよくない」「築年数が古い」など、競争力が弱い物件だと空室期間が長くなることがあります。そういったケースでは、貸主側は「できれば入居してほしい」と考えているので、こちらからの希望を受けてくれる可能性があります。例えば、設備の導入や交換、駐車場など付帯設備を借りる際の条件などです。

 

ただし、これらの交渉ができること自体が大家さんの善意ですから、それを忘れないようにしましょう。もしもOKしてもらったらありがたく受け止め、ダメだった場合でも残念くらいの気持ちでいましょう。入居申込みが交渉ごとのチャンスだとしても、毎月の家賃の極端な値下げ交渉、入居前のリフォームなど、あまりにも無謀な要求は印象を悪くするので控えましょう。自分の得になることばかりを要求すると、最終的に「借りてくれなくてもいい」と破談になってしまいます。

 

部屋を借りることは、これから大家さんとの長いお付き合いが始まることを意味します。快適に暮らすためには、円滑な人間関係が不可欠ですから、「言ったもの勝ち」というような風潮に流されて、自分の希望ばかりを主張するのはNG行動と考え注意しましょう。