気になるセキュリティー対策を確認しよう

マンションエントランスのカメラ付きインターホンの画像
住まいを選ぶときに、セキュリティー対策が気になる人は多いのではないでしょうか。防犯カメラの設置などは、今やかなり高い割合で進んでいます。ここでは、一人暮らしでも、ファミリーでも安心できるセキュリティー対策の種類と、実際の物件を見るときのチェックの仕方などについて紹介します。住まい選びの参考にしてください。

敷地内のセキュリティー

賃貸物件の敷地内(外回り)に設置されるセキュリティー対策は、侵入者や不審者の人物特定をするなど、犯罪の解決に役立つことのほか、犯罪を未然に防ぐ抑止効果を期待できることが大きなメリットです。

 

【防犯カメラ】

「防犯カメラ」は、建物の外回りを監視することで、不審者や空き巣などによる犯罪を未然に防ぐ効果を上げています。また、最近は防犯カメラの映像によって、実際に事件や事故の解決につながるケースが多く見受けられます。

 

物件の規模にもよりますが、防犯カメラは1台だけでなく、いくつかの場所に分けて設置されることが多いようです。特に、女性の一人暮らしや、留守の時間が長い人、帰宅時間が遅い人は、防犯カメラが設置されている物件は安心度が高まりますから、物件探しの際にチェックしておくとよいでしょう。

 

【センサーライト】

防犯カメラとともに設置されることが多いのが、「人感センサーライト」です。人感センサーライトとは、感知エリアに人が近づいたときに「ピカッ」と明かりを点けて、その一帯を照らす照明器具です。このセンサーライトには二つの効果があり、一つは、夜間の帰宅時に足元を照らして歩きやすくしてくれること。もう一つが不審者に対して急に光を当てることでそれ以上の侵入を防ぐことです。後者のセキュリティー効果を主な目的とする場合の設置場所としては、玄関(エントランス)回りの他に、建物の後ろ側など普段は暗くて目立たない場所や駐輪場付近が多いようです。

 

また、夕方暗くなると自動的に照明が点くタイプのライトもあります。不審者は明るい場所を嫌いますから、夜間常に明るくしている状態も防犯効果が高いです。

 

【夜の雰囲気も確認】

物件の外回りのセキュリティー状況は、実際に夜間にどのような状況になっているか確認するとよいでしょう。昼と夜の雰囲気が変わることは少なくありません。最寄り駅やバス停からの帰宅ルートとともに時間帯を変えてしっかり確認することをおすすめします。また、特に門扉やエントランス以外に、物件敷地内に侵入できそうな箇所がないかをチェックしましょう。

管理員によるセキュリティー対策

マンション敷地内に設置された防犯カメラの画像

「管理員(人)」は、日常的に集合住宅の管理業務を任されている人で、勤務時間や留守の居住者宅の荷物の受け取りの有無など、対応してくれるサービスの範囲に違いがあります。有人で日常管理をしている物件は、不審者が簡単には建物内に侵入できないため、防犯効果は高いでしょう。

 

【常駐管理】

「常駐管理」は、管理員が建物内に常に駐在している管理形態です。ただし、勤務時間は9時~17時などで規定されています。時間外については緊急時には対応可能な場合もありますが、契約内容次第なので、物件により異なります。この管理形態はコストが高額になるので、一般的な賃貸物件ではあまり見られません。大家さんが同じ物件に住み管理をする場合は、この形態をとっていることがあります。常駐管理のメリットは、鍵をなくしたり上階からの水漏れが発生したりしたときに、すぐに対応を依頼できる点が挙げられます。

 

【日勤管理】

日勤管理は、管理員があらかじめ定められた曜日に通勤してくる管理形態です。基本的に夜間や土日祭日は勤務外となります。曜日・時間とも契約内容次第なので、物件ごとに違います。事前に確認しましょう。

 

【巡回管理】

管理員が複数の担当物件を順番に巡回しながら管理業務をする形態です。「○曜日の15時~17時」のように時間を分けて巡回していき、管理業務を行っていきます。基本的に業務内容は大きく変わりませんが、時間が短いだけにやれる範囲は狭くなります。緊急時の対応については難しい面があるかと思います。

 

【フロントサービス】

賃貸マンションには、ホテルのようなフロントサービスを行うところがあります。荷物の受け取りから来客の取り次ぎ、宅配発送やタクシーの手配などを行ってくれ、中には夜間も常駐している物件もあります。その質の高さから「コンシェルジュサービス」とも呼ばれています。

 

このように、管理体制にはいくつかの種類があります。住もうとする物件の管理体制がどのようなものなのかを、事前に確認しておきましょう。管理体制と管理状態は防犯や安全面のほか、毎日の住み心地にも大きくかかわってきますから、内見時には現地での確認をおすすめします。

住戸のセキュリティー対策

各住戸のセキュリティーは、玄関や窓といった開口部の鍵の設置状況を中心として、外部から簡単に侵入できないようになっていることが必要です。

 

【オートロック】

オートロックは常に機器の開発が進んでおり、暗証番号の入力や電子キーをかざすことで開錠するシステムもあります。オートロックは、鍵を所有している居住者のみが建物内に入ることができ、外部の人はインターホンで来訪を知らせた後、各住戸内から開錠の操作をしなければ入れないようになっています。簡単には建物内に入ることができないため、一人暮らしでも安心です。

 

TVモニター付きインターホン】

オートロックシステムからの呼び出しや、玄関前での呼び出しでモニター付きのインターホンがあると、まず来訪者の画像を確認してから対応ができるため、安易にドアを開けることは少なくなります。

 

【ピッキング防止キー・指紋認証】

玄関ロックにディンプルキーと呼ばれる複雑な形の鍵が使われていると、ピッキングによる侵入防止に効果があります。また、指紋認証カードキーなら、本人以外は開錠ができないため、より安全性が高まります。

 

【防犯シャッター・ガラス】

空き巣は、ベランダからの侵入が多いものです。特に1階や2階など低階層の部屋では、防犯シャッターでのガードや割れにくい防犯ガラスを採用することで、防犯性を高め、万が一狙われたときでも実際の被害を食い止める効果が期待できます。ガラスそのものが防犯仕様ではない場合は、後から防犯フィルムを貼って強化することもできます。3階以上でも、外側に足掛かりになるようなものがあると侵入されることがあるので、油断は禁物です。

 

より多くのセキュリティー対策があれば安心ではありますが、オートロックや複製しにくい鍵、モニター付きインターホンなど基本的な防犯対策があるかは、事前にしっかりと確認しておきましょう。

なお、設備上のセキュリティー対策が充実していても、そもそも扉や窓を施錠していなかったら、元も子もありません。空き巣被害の原因で、鍵の閉め忘れは相当数あるようなので、設備プラス心構えでの対策を行いましょう。